Something bursted and splattered


西光祐輔 × パトリック・ツァイ 写真展

西光祐輔

1976年 和歌山県新宮市生まれ
主な個展に「SHOOTERS HIGH」(2008、TRE、東京)、「Catch as catch can」(2008、AD&A gallery、大阪)、「You remember the night and photograph」(2009、THERME gallery、東京)、「NEW GAMES」(2009、AD&A gallery、大阪)。グループ展に「ignore your perspective 6」(2008、児玉画廊、京都)。
2010年、自主レーベル『approach』立ち上げ。
http://web.me.com/yusukenishimitsu/new_games/

パトリック・ツァイ

写真家。『Vice Magazine』や『Foam Magazine』など多くの雑誌媒体で取り上げられ、コマーシャルでは、コンバースのキャンペーン写真を手がける。写真家、Madi Ju との共作「My Little Dead Dick」シリーズをウェブ上で公開し話題を呼んだ。2010年10月、Susan Bright編集によるAuto Focus: The Self-Portrait in Contemporary Photographyの表紙に採用される。
www.hellopatpat.com

会場へのアクセス

会場へのアクセス






パトリックの写真を初めて知ったのは
知り合いがフランスでグループ展に参加した時に
帰って来た知り合いから、面白い写真家がいたと聞かされ
webで『My little dead dick』と名付けられた作品を見て
そのロマンチックさと眩しさ、恋人同士の無邪気で屈託の無い写真に
一瞬で心奪われてしまった。

僕とパトが出会ったのは、今年の5月。
友達に誘われて浅草の三社祭に行くと
少しシャイなアメリカ人のパトがいた。
2年程前に、日本に来てすぐの頃に、原宿で偶然会い
一言二言、話をしたが、ちゃんと話をしたのはこの日が初めてだった。
その日、僕は、今年自分で作った作品集を持っていて
パトにあげると喜んでくれて、面白いと言ってくれた。
その日を境に、頻繁に遊ぶようになり
ペイヴメントが結成された街で育った人間好きなパトと
音楽の話、女の子の話、写真の話を沢山した。
初めて外国人の親友が出来た。
6月頭に、二人で遊びに行った帰り
『一緒にエキシビジョンやろう。』と言われて
二人展が決まった。とても嬉しかった。


大阪で展示準備終えて、パトと車で東京に戻って来ている途中
シャッフルにしていたi-podから
ブルース・スプリングスティーンの『Hungry heart』が流れてきた。
『この曲好きなんだよ。』って言うと
パトは『ダセー。』って言いながらケタケタ笑っていたが
そのうち『ちょっと良い歌だね。』って言い出した。
僕は、昔の記憶がフラッシュバックする。
19、20歳のフリーターの頃、派遣のバイトで
千葉の稲毛海岸だったと思うが、イベントの設営に行って
死ぬ程疲れて、帰りに駅のホームでホットドッグを食べながら
突然、身も心もひもじい思いでいっぱいになって
当時出たばかりのベスト盤に入っていた『Hungry heart』を
CDウォークマンで、半泣きになりながら聴いた事を思い出した。
半泣きでホットドッグを食べながら、ボスの曲って
今考えてみても、いつの時代やねん
そのダサさはどうなってんねんって思うが
当時から少しそう思っていたから覚えてるのだと思う。
あの時、この曲を聞いて思っていたあの感じは何だろうと思う。
謎のままだけど、今、横にアメリカ人のパトがいて
あの時の何かを思い出し、今の状況とミックスされて変な感覚に襲われる。
何かは何かのままだし、それは今日の何かで、明らかに違いもあって
あの時の何かは、今の何かに上書きされて違う感覚に変わりつつある。
あの時の感覚が感傷のようなものに感じて気持ち悪かった。
感覚が感覚のままなのが気持ち悪かった。
今の僕には写真がある。
写真に撮ってしまえば、紙の表面だけの事になる。
その一回の撮った時の事、表面だけの事のアホさが写真の快楽だと思う。
何かが弾けて飛び散ってしまった。
もっと弾けて飛び散って欲しいと思う。


パト、負けないぜ。



西光祐輔